魚好き、特に刺身好きにとって気になる、熟成という方法があります。魚がたくさん釣れた時、大きな魚が釣れて何日かに分けて刺身で食べたいけど何日持つかわからない時、置いておくとだんだん美味しくなる、というこの方法、やってみない手はありません。
この記事を読めば、自分も刺身を熟成させてみようと思えるようになると思います。
奄美群島の離島、喜界島に移住して、いろんな魚を釣ってきました。これ食べれるの?という無知識から始まり、知らないことが高じていろんなことを試してきました。
いろんな魚を熟成してみて、食べてみて、熟成した方が美味しいと思える魚は間違いなくある、ということが分かりました。ご紹介します。
刺身を熟成させるには?その手順は?臭い魚でも上級魚に変わる?
今回釣れたのはこちらの魚
カッポレという、ギンガメアジの仲間だそう。変な名前。
魚が釣れたらエラの下を切って海水につけ血抜きし、脳天を指して締める
血が臭みの元です。
血抜きは必ずしましょう。
締めるのは……というと、私は今だにうまくいきません。脳天刺しても刺しても締まらんので、最近は、はしょってます。
家で、鱗を取り、内臓を取り、三枚に下ろす
三枚におろさないままでも大丈夫ですが。
臭みがある場合塩を薄く振り、キッチンペーパーでくるみ、ラップなどで密閉し、冷蔵庫に
塩の効果は、水分を抜くことです。
キッチンペーパーを巻いておくことで、水分を除けます。
今回の魚は、臭い魚ではないですので、ほとんど塩をしませんでした。
臭い魚こそ熟成してみて!
島に来て、島の人が、「臭い臭い」という魚がいます。
ニセカンランハギとか、
ブダイとか。
臭みがあります。
でも、塩をパラパラまんべんなく振って、包んで冷蔵庫に入れます。
二、三日後、臭みがほとんどなくなり、身がねっとりなり、旨味がすごくなります。
刺身はコリコリでないと、という人には向かないですが、私は好きですね。ねっとりした旨味たっぷりの刺身。すごい酒のつまみになります。
捨てる魚が、上級魚に格上がりです。
臭いのは水分
要するに、臭みは水分です。
水分さえ抜けば旨くなります。
常識を疑うことから美味いものは発見されます。
毎日キッチンペーパーを変える
水が出る魚は特にこれが必要です。
魚を熟成させてみた。何日置くといいのか。どの魚でもいいのか?
1日目。(釣って2時間後)
すぐに食べてみました。
味は淡白。臭みはほとんどありません。
ただ、旨味はほとんどない感じ。腹側のトロの部分もコロコリはしてるんですが、それだけという感じ。
2日目
少し水が出てる感じですね。
色は少しくすんだかなっていう感じ。
食べてみます。
昨日よりバランスが良くなった感じがします。
刺身らしくなったかなって感じ。ただ、この魚は、カンパチとかブリには追いつかないかな。
三日目
なんと、醤油切らした!
塩とハーブ塩で。
いや、僕、やっぱ、日本人。醤油じゃないと味わかんない。
ただ、臭みも全くなく、味も良くなってる気がします。
四日目
色はまだ大丈夫。
普通に美味い。
全然大丈夫です。
ただ、ですね、今回の目的は、「熟成すると旨くなる」というものなんですが、結果的には、「四日たっても味がそう変わらなかった」。取れ高的には、「四日たっても腐りません」ぐらい。
まとめ
というわけで、すんごい味が変わるパターンと、味がそんな変わらないパターンがあるって感じですね。
熟成は二パターンあるような気がします。
① 淡白な魚の旨みを増す
② 臭い魚の水分を抜く
どちらにしても、魚を美味しく食べれるんですから損はありません。
常に食品に賞味期限がある日本の食事。
他の人が決めた期限で腐ってるか腐ってないかを決める日本人の食生活の中で、異色な方法なのかもしれません。ただ、島に住んでいて、自分で魚を獲って捌いて食べてるうちに、自分の鼻と味覚を信頼する、ということに慣れてきました。
なんかこれが本来の生き方なようにも思います。
本来の人間の食へ。
是非、熟成を(自己責任ですが)試してみてください。
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